今まで読んだ緊縛ものとは違うものにしたかったんです、ええ
日替わりでお届けしているNEWSですが、今回から西条さんと交互に今回のコラボ作品のベースとなっている作品を紹介したいと思います。
まずは自作「イヴのめざめ」
当時メクるで開催されていた第11回らぶドロップス恋愛小説コンテストのために緊縛ものを書こうとは思いながらも、何について書けばいいのか迷っていました。
というのは、商業のTL作品に数多く登場する緊縛シーンと同じようには書きたくなかったんです。(今思えば思い上がりも甚だしいw
が
ティーンズラブというジャンルですから縄の使い方って限られてくるんです。(たぶん
なにせ想像力や発想力が足らないので、限られたなかでの目新しい縄の使い方が浮かばず、どうしたものかなーとウダウダしていたのです。そんなときでした。緊縛師さんのお話を伺う機会ができたのは。
緊縛ものを書くぞと息巻いていた頃、SNSを中心に縛師さんのアカウントをフォローし、ステージの様子などを拝見させていただいていたのですが、その中で最も私が「好き」と思えた方でした。
縛りのスタイルや心構えといったものは緊縛師さんひとりひとり違います。ステージを拝見できなくても、その方々が縛った画像は見ることができますし、見続けているうちに自分の好きに反応する縛りが分かってきます。その方の縛りはまさにわたしの「好き」センサーがピピッと反応した縛りだったんです。
忘れもしません、2017年8月です。秋田市内で先生とお会いしました。
緊縛の何を書こうかまだ定まっていないわたしに、先生はいろんなお話を聞かせてくれました。
その中で「萌え」センサーが反応したキーワードを軸に、イヴは産声を上げました。
ただ、順風満帆ではありませんでした。プロットを練っている間、これはTLと言えるかどうかいつも悩みました。一応ね、TLのコンテストにだす作品なので・・・。
悩みに悩んで、結局自分が書きたいものを書いてしまったわけですが、読者賞ならびにパブリッシングリンク賞をいただきました。
TLと呼べないものを賞に推してくださった方には感謝しかありません。
自信のようなものをくださって本当にありがとうございます。
そして受賞から一年後、貴重なお話を聞かせていただいた先生のステージを生で見れる機会に恵まれました。それまで動画でしか見ることができなかったステージを間近で見ることができたんです。
緊縛のステージといえば、あやしい雰囲気で~とか思われる方が大半だと思いますが、そういったものは一切なく、ただただ綺麗。素晴らしかったし、感動を覚えました。
縛る側と縛られる側が向かい合う姿は本当に美しく、そのシーンを書けと言われても拙い語彙しか持っていないわたしは書けない。でも、わたしが感動したもののひとかけらでも、お読みになられた方が受け取ってくださると嬉しいです。
このたびのコラボ企画に誘われたとき、「まだ書き足りないことあるよね」と西条さんから言われ、ああ、バレたと思いましたし、同時に「全部出しちゃえよ!」と聞こえたような気がしました。
当初、イヴはもっと渡海さんが悩むお話だったんです。それを文字数の都合で無理やりまとめた作品だったんです。書いてる本人が、そう都合良く思い切れるわけねえだろとぶつぶつ言いながら書いていたので。(構成力・文章力が足らないから納得できる流れにまとめることが難しかった)
今回の企画のためにイヴを読み返したのですが、今よりもっと語彙は少ないわ書き方がくどいわで、手直ししたくなりました。いや、マジで直す。そのうちにw
現在アルファポリスなどで公開してますので、寛大な気持ちでお読みになってくださるとうれしいです。
イヴのめざめ
(https://www.alphapolis.co.jp/novel/868194080/631335293)
恋人の浮気に気付き別れの言葉を告げて同棲してマンションから出た歩(あゆむ)。妹の恋人が経営するバーで恋人への未練を噛みしめながら酒を煽っているとき、店に男が現れた。ひょんなことからその男・渡海(とかい)と二週間同居することになったけれど、彼の行動に振り回される羽目になり、日に日にストレスが貯まっていった。だがある日、歩はとある場所で同居人の意外な姿を見てしまう。その男は緊縛師、女を縄で縛ることを生業にしている男だった。
・第11回らぶドロップス恋愛小説コンテスト パブリッシングリンク賞 読者賞
谷崎文音拝
0コメント