ライトで済むなら連載はいらない
西条彩子です。
連載開始まで一週間を切って、谷崎さんもおっしゃっているように毎日ズブズブとズブズブしております。
私も谷崎さんの「イヴのめざめ」、「蛇は密やかにそのときを待つ」の読者の一人なのですが、ここに出てくる渡海さんがとても好きでして。 それゆえに、もうちょっと彼のことを知りたいなぁと思っていたのです。 そしてこれは作者的勘でもありましたが、「まだ書きたいことがあるのでは?」とも思ったのです。
今回のコラボで、さてどういう話にしようか、となった時。 「女王のレッスン」、「縄痕にくちづけを」はすでに完結してましたが、彼女の方は「蛇」の連載中。
最初はなるべくその連載の邪魔をしないように、過去に実は関わりを持ち、友人関係になりました、みたいなライトなストーリーにしようかとしていたのです。
が、そこは緊縛ものを書いた者同士。 谷崎さんちのちょっと気難しい緊縛師の渡海さんと、うちの縄を読める結衣子女王様が絡んだら、って考えたら、そんな手ぬるい話では済まなくなっていました。
濃い味と濃い味なのに喧嘩もせず、むしろ「こんなことしたら、言ったらどうなる?」とさらに妄想が膨らんで膨らんで仕方がない。
自作愛、自キャラ愛の強い我々が互いの作品をまるごと持ち寄ったわけですから、当然といえば当然ですが、破綻することなくしっかり噛み合って、いい妙味が生まれております。
渡海と結衣子が邂逅を果たしたその時、渡海も結衣子も自身の(谷崎さんに羽交い締めにされながら口を押さえられました)
あああ、ほんと言いたいですねいろいろ。言えないですねいろいろ。口を開けば言ってしまいそうなので、今しばらくおとなしくカシャカシャと書き進めることにします。
「追憶と未来の交わる場所で」
私も谷崎さん同様、タイトルに散々悩みました。
が、彼女の「乳と蜜の流れるところ」に感化されて居場所というワードが。乗り越えてきた者たちが乗り越えようとしている者たちに、というところで追憶と未来が。
だけど、果たしてそれが何か、どこか。その辺は、お話を追っていってくださいますと幸いです。
西条彩子拝
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