わたしが好きなシーン(自萌え

「乳と蜜の流れるところ」をお読みいただきありがとうございます。

昨日に引き続き、乳蜜の自萌えポイントや好きなシーンをご紹介させていただきます。

※ダイレクトマーケティングです(きっぱり


➀ベルリンでのステージ

「下ろすぞ」
 渡海は、じくじく疼く胸の痛みに耐えながら、ルイをゆっくり降ろしていった。
 体中に巻き付いた縄を丁寧に解きながら、乱れた着物の裾や襟を直していく。最後に黒髪をなでつけてから、渡海はルイを抱き締めた。
 もう何度もこうして抱き締めてきた。抱き締めるたびに未練に火がつき苦しんだこともあるけれど、仮によりを戻しても同じことを繰り返してしまう。それが分かっているから耐え続けた。それに、ルイが距離を置いて接し続けてくれたから、二人並んでステージに立てている。
 しかし、同時に渡海は悔やんだ。ステージに立ち続けたからこそ、二人といない相棒との別れがつらくて仕方がないからだった。渡海は、彼女の匂いや体温を記憶に刻むかのようにルイの体を抱き締める。

友人・恋人・相棒と関係性が変わっていった二人。渡海さんとしては「よりを戻したくても戻せばまた同じことで苦しむし、ルイを傷つけてしまう」ことが分かっているので、耐えてきたわけです。

んで、ルイはルイで乳蜜では書いてませんが、受け手の申し出を渡海からされたとき復縁できる最後のチャンスと思っていたわけです。でも、二人は復縁しなかった。

わたしは全部わかっているので、二人(渡海とルイ)のすれ違いというかこういう描写を書くとマジでつらいんです。渡海、おま、マジで馬鹿wと思いますし。もうちょっと適当でいいんだ、なりゆきまかせでいいんだぞwとも思いましたが、もしも彼がテケト―な人間なら縄も習っていないしルイとも再会していないでしょうね。


➁信条

「渡海くん。ひとつ教えてほしいことがあるの」
 凜とした声だった。何を聞かれるか分かったものではない。渡海は表情を引き締めた。
「あなたの緊縛のポリシーはなに?」 
――え?
 唐突過ぎる質問を頭の中で繰り返したあと、渡海は口を開こうとした。
 しかし、言葉がすぐに出てこなかった。
 ポリシー、つまり信念だ。ルイを縛るとき、何を念頭に置いているか振り返ってみたけれど、何も見つからない。渡海は途方に暮れる。ステージに突っ立ったまま、目をさまよわせてみたけれど無駄だった。
 気まずそうに彼女に目をやると、心の奥まで見抜こうとしているようなまなざしを向けられていた。目が合った次の瞬間、彼女はすっと目線を下げる。
「……そう、わかった」
 彼女は寂しげな笑みを浮かべ、畳の上に置いた下着に手を伸ばす。縄痕がうっすら残る乳房にブラを付け終わると立ち上がった。

「そういえば渡海の縛りの信条ってなんだっけ」今回のコラボ企画で一番最初に躓いたのがそこでした。女王シリーズに登場するキャラはみんなポリシーを持っていますし、それが人物造形に影響を及ぼしています。んで、今回コラボするにあたり、考えたわけですよ、信条を。

どうして信条ないんだっけから設定集を見直して、それから乳蜜が生まれた、ということです、はい。


➂歩とのイチャイチャシーン

「今月初めにあったお店のパーティで、光さんからクリスマスプレゼントってもらったの、フランクフルト空港から成田までのチケット」 
「それで?」
 ばつが悪そうにしている恋人の姿が可愛くて、気を緩めたら口元が緩みそうだった。しかし、渡海はわざとぶっきらぼうに返事する。
「それで……。どうしてフランクフルトからの便なのって聞いたら」
「聞いたら?」
「パーティに来ていた圭吾さんと稜さんが側に来て、知り合いから借りたプライベートジェットでフランクフルトに向かうんだって言われて……」
「ふうん」
 渡海は腕を組みながら、素っ気なく相づちを打つ。

イヴでほんのさわりだけ書きましたが、歩がドイツにやって来ます。

歩が着いた当日、渡海は結衣子からきつい言葉を掛けられて、ある決意までしてしまいます。

それに、渡海は洗いざらい歩に打ち明けるのですが、その前の歩と渡海のイチャイチャシーン。


④一緒に暮らそう

「ところで、家の鍵、持ってるよな」
 ふいに浮かんだことがあり、渡海は歩に問いかけた。
「うん、持ってる」 
「それ、持ってていいぞ。あと、まだあそこにいるなら、俺の家に来い」
 唐突に切り出すと、歩は寂しげだった顔をきょとんとさせた。
「帰国したら一緒に暮らそう。いつまでも妹んとこにいられないだろうし」  

ドイツ・ベルリン編の最後はこれって決めていました。空港でのシーンは割とすらすら書いた記憶あり。


➄バレンタインデー

 牛丼を食べ終え、渡海は歩と一緒に自宅へ戻った。
 久しぶりに我が家へ戻ってみると、家電製品が一新されていた。特に冷蔵庫に関しては、かつて使っていたものの二倍以上大きなものだった。
 リビングにいる歩の目を盗んで開けてみたら、奥の方に紙袋が見えた。赤い紙袋を引き寄せて中を覗いてみると、小さな箱とメッセージカードが入っている。それに、ほのかにチョコの匂いがした。こっそりカードだけ取り出して見てみると、手書きでメッセージが書かれていた。
 これからもよろしくお願いします。     歩
 好きとか愛してるとか、そういった甘い言葉ではなかったけれど、渡海は嬉しくなった。
 きっと歩は、タイミングを見計らってこれを渡すつもりでいるのだろう。ならば、そのときまで待とうと思い、渡海はにやけそうになるのを堪えて赤い紙袋を冷蔵庫内の同じ位置に戻したのだった。

バレンタインデーを忘れていました。はい。あわてて加筆しました。

この日が実は二人一緒に暮らし始めた最初の日・・・。


➅仲秋先生

「いらっしゃいませ、仲秋先生」
「やあ、レディ結衣子」
 渡海は目を剥いた。
 二度と会うこともない相手と再会した驚きもあるが、それよりもっと驚いたのは彼女が師と知り合いだったことだった。
 どんな繋がりがあるかは分からないが、二人とも縄に関わる人間だ。緊縛師とミストレスという立場で知り合いだとしても、なんらおかしいことではない。
 しかし、もしも縄で繋がっているのなら、レディといった敬称など付けずに名前で呼ぶはずだ。互いに笑みを向けあう二人を眺めながら思案していると、渡海はあることに気がついた。
  師は、ルイや愛妻に向けるものよりずっと優しい笑みを彼女に向けていた。それに、彼女に向ける表情には、よこしまな欲望は一切感じない。それらから考え得る関係性を頭の中で考えたが、しっくりくるものは浮かばなかった。
 二人の関係が気になった上に嫌な予感がしてならず、渡海は思案しながら彼女と師を眺めていた。

今回新たに登場した仲秋先生は、蛇ではわりと早い時期に登場されてました。

蛇の改稿にあわせて作ったキャラ・仲秋先生が、まさかコラボ企画で大活躍するとは思いませんでした。しかも、まあ、薄々気づいている方もおられるとおもいますが、○○○と・・・だったとか。

仲秋先生を産んだのはわたしですが、育ててたのは西条さんです、ええ。彼女が先行して原稿を書いていたこともありますが、どんどん肉付けしてくれるからそれに合わせて詳細を作っていった後手キャラです。いやー・・・もうこの先生の登場でコラボ企画作品の文字数が増えたことは言うまでもありませんw


➆縄は救い

「私は何度も、誰かが手繰る縄に救われてきたわ。だから――」
 目線を上げると、鏡に映った自分の姿に目が留まった。
 縄でしっかり縛られている姿がルイへの未練で雁字搦めになっていた頃の自分に見えてしまい、渡海は顔を歪ませる。
 ふいに感じた視線をたどると、鏡に映っている結衣子から見つめられていた。
「縄はね、救いであってほしいの」

8Knotで結衣子に縛られた渡海。

女王や縄痕を読んでいたので、結衣子のセリフを見て、まあ、色々思いましたよね・・・。



「わたしが好きなシーン」を四回に分けてお届けしましたが、読者さんが選ぶ「一番」な場面がありましたら、是非是非教えて下さい。

明日21時更新から始まる新章では、結衣子とルイ、渡海と瑛二が向き合います。

乳蜜的にはそれぞれとの関わりだけでなく、歩とのこともちょっとずつ進める予定。

追憶は、うん・・・まあ・・・すごいよ・・・すごいよ・・・(しろめ

何がどうすごいかは、読んでくださいませとしかいえません(汗


それでは明日21時より更新の追憶と乳蜜、もうしばらくお付き合いくださいますようお願いいたします。


あんけーと

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