こういう人もいるかもね、って言いたかった

西条彩子です。


女王のレッスンが受賞を果たしたそのあとから、お祝いいただいた谷崎さんとの交流が始まりました。その彼女がとても感情移入してくださった女王様・結衣子。


そこでさすがというかなんというか、「結衣子の話っていろいろ書けるよねぇ(意訳)」と見抜かれまして、「縄痕にくちづけを」の執筆を開始しました。  


女王を書く直前のこと。 「遥香」はおらず、主人公に結衣子を据え、瑛二と稜の三角関係が終わりを迎えるまでを描く話を構想しておりまして。でも、多分結衣子は嫌われやすいキャラクターだろうと思ってもいて。

だけど、女王を出したあとだったら、受け入れられやすいだろうと踏み、スピンオフとして過去からの話を書こうと決めたのです。


女王ではいろいろなフェティシズムを出したので、今度はこの、情と癖と感情に揺れる三人にフォーカス。

どうしてこうなったか、なぜ結衣子は瑛二を手放さなかったか、なぜ稜だったか、そこに現れた遥香は、彼らにどう作用していったか、などを深堀りしていきました。

恋愛小説、とはいえません。やっぱりこのお話も、私にとっては官能小説です。


とはいえ、女王を読まれた方には結末が知られている状態。

それでも先を読みたくなるような魅力ある展開にせねばと、かなり意気込んだ覚えがあります。そこを主人公である結衣子女王様が、ぶんぶんと引っ張ってくれました。

また、ちょうど書いている時に緊縛ショーを見に行くことができ、その場の雰囲気、空気感を、物語の中にモリモリと盛り込んでいます。


完結して時間が経ち、「蛇」をいそいそ書いている谷崎さんにコラボを持ちかけたら、彼女のお話にまで影響を及ぼしちゃった女王様たち。

相変わらずマイペースで周りを振り回す彼女が、このコラボでもなかなか「マジか……」と思うようなことをしてくれます。


縄痕にくちづけを

https://kanno-novel.jp/viewstory/index/15348/?guid=ON

フェティッシュバー『8 Knot』のオーナー兼ミストレス、結衣子。界隈でも評判の女王様の彼女は、元の癖であるマゾヒスティックな欲望を満たすため、二人の男と関係を持っていた。 十年目の付き合いになる緊縛師、瑛二と、8 Knotのバーテンダー、稜。 複雑に絡み合う情のあいだで揺れる結衣子だが、ふとした瞬間から稜の態度が結衣子に傾きかけていることに気づく。 関係を崩したくない一心で結衣子はそれを回避しようと試みるが、次第に感情は揺れ動いていった。

第六回官能小説コンテストエントリー中 

西条彩子拝